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グローバルに活躍したい!!わたしの夢実現日記。

グローバルに活躍したい!!わたしの夢実現日記。

★★レベルアップコンテスト受賞作文・中編

そんな時、研究所までの通学途中にあるNOVAで、
気分転換のために英語とフランス語を始めてみることにしました。

週末に研究室で用事がある時に、先にNOVAでレッスン
を受けてから行けば、スケジュール管理もしやすいと思ったのです。
また海外に留学するならそろそろ準備をしないといけないと思ったからです。

フランス語は、理学部の教養時代に習ったきりなのですっかり忘れており、
初心者クラスから始めることになりました。しかし、毎週末通うたびに、
脳の奥に眠っていた知識が呼び覚まされ、どんどん活性化していきました。

毎晩寝る前の10分間はテキストを見て、単語や文章をたたきこんでいた
のですが、フランス語をすっかり忘れていたその時の私にとっては
全く新しい知識であっても、私の脳はもう既に何年も前から知っていたのです。

そのうち、今覚えたのか、今思い出したのか、区別がつかなくなる
ほどの勢いでフランス語を習得していきました。
今、自分の中で何が起こっているんだろうと思うくらい刺激的な経験でした。

そうなるともうフランス語が楽しくて、毎日ちょっとの時間でも惜しんで
フランス語を勉強したいと思うようになりました。
研究では仕事ができて当たり前で、自分には難しいことでも
なんとか頑張らないといけなかったのですが、NOVAではできなくて当たり前、
できると「すごいね」と誉められます。

自分のその時のレベルに合った課題を与えられ、自分の行為にすぐ
反応が返ってくるので、達成感があり、どんどんやる気が湧いてきました。
「週末が待ち遠しい!」といつも思っていました。
自分の見たこと、感じたこと、経験した事、これからしたいと思ってること、
そういうこと全てNOVAの先生に聞いてもらうのが楽しかったです。

こうして自分の言いたいことは全てフランス語に変換したいと思うようになり、
だんだんと失敗続きの実験をしている時間がもったいなくなってきました。
あくまでも研究が本業で、フランス語はそれに役立てるためにやっていただけなのに!

自分が優先すべきことがどちらなのかわからなくなり、悩むようになりました。
そんな私を指導教官の先生は見抜いたようです。
ある日、二人で話し合っている時にこうおっしゃいました。

「研究というのは失敗の連続。この先、今よりストレスが増えることはあっても
減ることはない。それでも僕らが続けているのは、結果にかかわらず、
実験をする行為そのものが楽しいからだ。そんなにフランス語が好きだったら
毎日でもフランス語を勉強したらいい。そうすると必ず次が見えてくるから。」

その言葉を聞いて、私は1年間休学することにしました。
1年間研究の世界から離れて、毎日フランス語をして、それでもやっぱり
研究がしたいと思ったら戻ってきてもいいとおっしゃいましたが、
先生は私が新しい道を見つけることを確信しておられました。
(続く)


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